どうも!お久しぶりです!ニーコロです!
芸人物語完全にハンターハンター状態ですが。。。頑張って更新していくでー!!
前回のお話を見ていない方はこちらからどうぞ↓
*(前回記事ではUP TO YOUと書いておりましたが、実際にはピンでの初ライブはMEKKEMONでした。)
【第32話】ザ・カオス大阪新世界・朝日劇場でついにピン芸人デビューする俺
昔から運動会が大嫌いだった。運動会があると一か月前からとにかく嫌だった。
そして日にちが近くなるごとに嫌度は増していき、前日になるとピークに達し、当日になると逆に開き直っている。
今まさにこの心理状態。
本日ついにピン芸人になってからの初ライブ。MEKKEMON………。
MEKKEMONはUPTOYOUと比べて何が違うのかと言うと、作家のアドバイスがない、順位がつかない、エンディングがない、ユニットや素人も出れる。
よしもと主催ではあるが自由度が高く、シンプルなネタ下ろしライブという位置のライブである。
つまりどれだけここでウケを取ろうが、漫才劇場に繋がることはない。つまり極論出る必要がない。
しかしそれ以上にUP TO YOUで勝負するネタを最初にココで下ろし、そして磨いたネタをその後使うというのが、MEKKEMONの主な皆の使い方でもある。
でも僕の場合は違った。とりあえずライブに出て、生存していることを同期に知らせないと誰ともコンビを組めない。そして相方がいないからと言ってライブにも出ず芸人を名乗ることだけはしたくなかった。
つまり自分に負けたくなかった。
今まで人生で多々逃げてきたことがある。逃げた結果どうなったか?
余計に苦しんだ。逃げた一瞬は楽になるけど、その後は逃げた自分に失望し、自己嫌悪に陥りもっと苦しくなる。
だからこそNSCに入った時から絶対に僕はもう人生で逃げないと決めていた。
そんな壮大な覚悟を持ってこれからネタをする芸人がいるなんて、お客さんはこれっぽちも思ってないであろう。
そして本日のネタの会場が朝日劇場。
分かりやすく言うと通天閣のある場所。夜に女の子一人で来るのはあんまりお勧めしないような地域。
例えばその界隈で有名な新世界の映画はハッテン場で有名だったりと中々カオスな場所に劇場が存在しているわけである。
しかもかなり年期が入っており、いかにもザ関西芸人って感じの劇場。
とはいえNSC時代にライブや、M1の予選でも使ったことがあったので、場所の苦手意識的なものは無かった。
そして裏口のような場所から入るのだが、そこを開けるにはパスワードが必要で、当然自分はそんなこと知らずどうしようとあたふたしているときに、他の芸人がやってきて、何とか開けてもらえ、入ることが出来た。
すれ違う芸人とあいさつを交わしていく。
そして大楽屋に入り、先輩たちや顔なじみのある同期達が視界に入る。
同期「おっ久しぶりやん!今日ピンなん?」
ニーコロ「ピンやねん。。」
特に会話が続くこともなかったが、こうして話しかけてくれるのはすごい嬉しい。それと同時に香盤表を見ると真ん中あたりに自分の名前が書いてある。
出来る事なら今すぐ帰りたい。コンビはいいよな。この不安も2人で紛らわすことが出来るから。
ピンの僕はというと、本番ネタが飛ばないようにひたすら楽屋の廊下でネタのセリフを暗唱していた。
今回のピンのコントネタは爆笑は取れないけど、くすっとブラックな笑いが取れたらいいかなーくらいのネタを作った。
そしていよいよ自分の出番が近づき、階段を下りていき、舞台袖に行く。
毎回毎回舞台袖の時間が一番嫌だが、今回のそれは今までの比じゃなかった。なんせ一人。
これからたった一人で大勢の客の前に立ち、変なことをやる。当然客は僕に注目をする。なんせピンだから。1人しかいないから。
ネタがゲロ滑りして終わっても、傷を舐めあう相方もいない。
そして今までNSC生時代、UP TO YOUを見に行ったが滑っているピン芸人ほど地獄なものは無い。
とにかくとにかく今できることはとりあえずネタを飛ばさないこと。3分間やり切ること。それしかない。
そんな緊張している中、今じゃ東京にも進出し、ボチボチ知名度もある1期上のコンビの先輩が話しかけてくれた。
先輩「ニーコロ今ピンなん?」
ニーコロ「はい。ピンなんです。」
正直驚いた。その先輩はNSC時代のアシスタントでもあり、僕の事を知っているとはいえ、個人的に話したことはなかったし、まさかこんなタイミングで話しかけてくれるとは思わなかった。
言葉を交わしたのはたったそれだけだが、僕の中でこの人は凄い優しい先輩なんだろうなと思った。
そんなことを思っているうちに、次はもう僕の出番。いよいよ来てしまった。はあ。お客さんと僕が入れ替われたらいいのに。。。。見る方は楽でいいよな。。。と訳の分からんことを考えてしまう僕。
そして前の芸人がどうもありがとうございましたとお礼を言い、はけていく。
暗くなり、音楽が鳴る。
はあ、、、行くしかない。
舞台に出る僕。一気にまぶしい照明が目に差し込む。幸いにもその光のおかげで客の顔は大して見えない。そしてコントの準備をし、手を上げ開始の合図をする。
ネタが始まった。
ひたすら何回も何回もやりこんだネタを一語一句間違えないよう、そしてお客さんに聞こえるよう必死に必死に繰り出していく。
必死過ぎて何にも余裕はないが、だが、予想通りほんのクスクスと笑いが聞こえてくる。ほんのクスクスと。
どうもありがとうございました。
3分間はメチャクチャ長かったようで、でもいざ終わるとあっという間でもあった。
終わったと同時に、やっと終わったという解放感と安心感。
そして客前でネタをやって微笑ながら、笑いを取れた達成感、爽快感。
この感覚。この感覚。
この瞬間やっぱやめなくてよかったと思った。やっぱり俺はお笑いが好きや。まだまだ辞めたくないわ。
そう思えた初ピンデビューの日であった。
続く!!
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