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【第28話】初UP TO YOUは僕らに死と絶望と恐怖を与え、希望を奪い去った。

俺の芸人物語
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どうも!ニーコロです。

 

本日は史上最悪の相方とついに初UP TO YOUに挑むも死と絶望と恐怖を与えられ、希望を奪い去られる回です。

 

(前回の記事を読んでいない方はこちらからどうぞ↓)

【第27話】新しい相方は史上最低のカス野郎。罵声が飛びあうネタ合わせ......。
絶対組みたくない同期に鬼の説得をされ、新しい相方とコンビを結成するも、そいつは史上最低のカス野郎だった..。ネタ合わせをするも毎日罵声が飛びあい早速僕らは不仲に...。
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【第28話】初UP TO YOUは僕らに死と絶望と恐怖を与え、希望を奪い去った。

死・絶望・恐怖。世間一般の人達はこれらを味わうことがどれくらいあるのだろうか?恐らくそんなにいないだろう。

 

ついに初のUP TO YOUを迎えることになった僕たち。

 

ここまでの道のりは正直決して順調ではなかった。新しい相方を迎えるもとにかく僕と性格が合わなくて、毎日毎日罵声を浴びせあう喧嘩。手が出るのも時間の問題というレベルだ。

 

それくらい僕らの仲は不仲ではあったが、それ以上に今回のネタはだいぶ仕上がってると思った。仕上がりはバッチリ。やれることは全てしてきた。

 

あとはこのUP TO YOUで披露して、いきなり芸歴一年目の謎のコンビが爆笑を取り、そして1位を取りサバイバルステージに進出するというシナリオを僕らは考えていた。

 

ただ事前に香盤表を出演者は確認することが出来るのだが、僕らの出演する回というのはとにかくUP TO YOUの中では強豪ぞろいの回だった。

 

正直厳しい戦いにはなる。がしかしここで爪痕を残せないほど俺たちもやわじゃない。

 

そんなことを考えながら最後のネタ練習を終えた僕たちは道頓堀にあるライブハウスに向かい、関係者用の入り口を通り、中に入る。

 

「おはようございまーす。」
「おはようございまーす。」

 

芸人たちの挨拶が聞こえてくる。とりあえず僕らは一年目なので、知らない人全員に挨拶をする。

 

でも正直何でこんなようわからん先輩に挨拶せなあかんねんという気持ちもある。そのためにはここで今日結果を出さなければ。

 

そんなことを考えてるうちに、ライブ開始時間が始まり、モニターを見てみると満席だ。

 

あーーー。いよいよ始まる。心臓の鼓動が早くなってきた。

 

 

今すぐ時が止まってほしいという感情とは裏腹に予定通りライブは進行し、どんどん芸人がネタを披露していくも

 

 

全くウケていない…….。

 

 

 

しかしUP TO YOUの強豪たちはちゃんと笑いを取っている。だからネタが面白かったらちゃんと笑いは取れるわけだ。

 

 

そしてどんどん僕らの出番が近づいている。緊張で口はパッサパサ。絶対臭いであろう…。

 

NSC時代いろんなライブに出てきたが、正直今までの緊張とはレベルが違った。まずお客さんはNSC時代と違って温かくないし、一応プロの芸人として出演するわけやから絶対笑わせないといけない…..。

 

 

そしていよいよあと一組。袖で待機する僕たち。マジでこの時間は本当に緊張するし一番嫌な時間。

 

相方「あとはやるだけや。いくで。」

俺「大丈夫や絶対。」

 

 

ここで初めて僕らの関係性がグッとなったのを実感した。

 

遂に僕らの前のコンビが終わった。さあ僕らの番だ…..。いくぞ!

 

 

僕ら「はいどうもー!!」

俺「やっぱ将来いつかはね○○で~」
相方「いやちゃうやろ~」


そしてどんどんネタに入りテンションをヒートアップし、ハイテンションでボケまくる俺。

 

 

 

 

 

スーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。

 

 

 

 

 

聞こえてくるの空調音と僕らの声のみ。

 

 

 

 

 

えぐいゲロ滑りをしてる………..。

 

 

 

 

 

超ハイテンションで必死にボケる僕と恐らく無表情もしくはみてはいけないものを見てしまったような表情をしてるであろうお客さん。

 

 

 

 

地獄すぎる。今すぐ誰か俺を射殺してくれ……..。もしくはデスノートに書いてくれ……。

 

 

 

今すぐどこかに隠れたい。このお客さんたちの前からいなくなりたい。

 

 

 

 

「どうもありがとうございました…….」

 

 

 

壮大な地獄の2分がやっと終わった。

 

 

袖に降りる僕ら。もちろんお互い無言。そんなに甘くなかった。

 

思い描いていた未来を実現することが出来なかった。というかえぐすぎる。

 

 

正直2度と舞台に立ちたくない。トラウマレベル。なんだこれ。きつすぎる。

 

 

 

その後、全組ネタが終わって最後エンディングコーナーがあるものの、とてもじゃないが前に出るなんてできない。客席から見えない一番後ろの位置で僕は早く終わることだけを願っていた。

 

エンディングコーナーなんてウケてる人しか出たらあかんやろ。滑った奴がどの面下げて出ればええねんそんな風に思った。

 

終わった後順位が出るのだが、もちろん最下位。

要するに投票制だから、一人も面白いと思ってくれた人がいなかったということ。

 

 

ライブ終わり、よしもとの別館で作家からダメ出しをもらう為に道頓堀から千日前方面に移動する。

 

 

その間も歩くのが正直怖かった。周りですれ違う通行人がみんな僕の事をめっちゃおもんない奴と思ってる気がして、いち早くミナミから出たかった。

 

けれどもダメ出しを聞かないと自分のネタのどこがダメなのかわからないから聞くしかない。

 

 

そしてよしもとの別館に行きダメ出しをうけようとするも、結局芸歴順なので、1年目の僕らは一番最後。

 

なんやねんそのルール。でもさ芸歴が長い人らはそれだけ残りの人生の猶予が少なくなってる人たちだから、まあ仕方ないかと自分に言い聞かせた。

 

 

なのでライブ自体は21時ごろに終わったのにもかかわらず、結局ダメ出しを受けれたのは23時ごろ。

 

 

 

肝心なダメ出しはというと

 

作家「アイデアはいいと思うし、俺ももっとウケてもいいと思ったけど….。でもなんやろなちょっといきなりギア上げ過ぎてお客さんがついてこれんかったんちゃう?。」

「だから別にこのネタを捨てるとかはせんでええと思う。また自分の実力がついたときにこのネタやればええと思う。」

 

 

 

なるほど。やっぱアイデアはよかったとのこと。確かにでもテンション上げ過ぎたのかな?

でも正直お客さんがついてくるついてこないもどういう意味なのかイマイチわからん。

 

 

ハア。とりあえずこのネタは一旦封印しよ。熱い湯につかりたい。でも2週間後もう次のライブがある。休んでる暇はない。

 

 

やっぱさUP TO YOUって地獄だよね。

 

 

続く!!

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コメント

  1. トーマス より:

    uptoyouから漫才劇場に昇格できるのは、(オーディション組)芸人全体の何%ぐらいの割合ですか?
    ざっくりでいいので教えていただけると助かります

    • aoyama1985 aoyama1985 より:

      コメントありがとうございます!。ザックリで言うと、NSC入学者が大体300人くらいで、卒業には100人くらいに減っているので、卒業後に組数がコンビ50組でいると考えて、大体一つの期で5組くらいが平均かなと思います。もちろんその期によって多い少ないあるので何とも言えませんが….。

      なので割合で言うとオーディション組の10%が漫才劇場に所属する感覚です!。しかも所属して売れるのはさらに確率が低くなるので、難しい世界ですよね。

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